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ネットバンクなどの不正送金で問われる罪は? 逮捕された場合の対処法

2022年09月29日
  • 財産事件
  • 不正送金
  • 罪名
ネットバンクなどの不正送金で問われる罪は? 逮捕された場合の対処法

全国の警察はサイバー犯罪に対する警戒を強めており、インターネットバンキングを通じた「不正送金」にも目を光らせています。

不正送金は、犯罪グループがSNSで出し子や入れ子をアルバイトとして募集することもあるため、意図せず不正送金をはたらいてしまったり巻き込まれたりした方もいるかもしれません。

不正送金とはどのような罪になるのでしょうか。また、警察に逮捕されると、その後はどうなるのでしょう。本コラムでは「不正送金」で問われる罪や逮捕後の流れなどに触れながら、容疑をかけられて逮捕されてしまった場合に取るべき行動について解説します。

1、不正送金とは

まずは「不正送金」とはどのような行為なのか、用語の定義や典型的な形態について確認しましょう。

  1. (1)「不正送金」の定義

    不正送金とは、フィッシング・スパイウェアといった不正プログラムを用いて、他人名義の口座の預貯金を別の口座に送金する行為です。

    警察庁が公表している資料によると、平成30年中は「322件:4億6100万円」だった被害が令和元年には「1872件:25億2100万円」へと激増しました。

    被害の増加を受けて、警察と関係機関が迅速な情報共有などの取り組みを進めた結果、令和3年には「584件:8億2000万円」へと大幅に減少しています。

    今後も厳しい取り締まりが展開するのは確実なので、不正送金をはたらけば高い確率で検挙・逮捕されてしまうでしょう

  2. (2)不正送金の典型的な形態

    不正送金の典型的な形態は、大きく3つに分かれます。

    • ウイルス・スパイウェアなどによる認証情報の不正取得
    • 企業や官公庁のサイトを改ざん、あるいは電子メールの添付ファイルを開かせるなどの方法によってコンピューターウイルスやスパイウェアを相手の端末に忍び込ませたうえで、偽物のネットバンキングのサイトを表示させ、ID・パスワードを不正に取得する形態です。

    • メールなどによるフィッシング
    • 銀行などを装った虚偽のメールを送信し、ネットバンキングのサイトに似せた偽物のサイトへと誘導して、ID・パスワードを不正に取得する形態です。

    • 物理的な方法による認証情報の不正取得
    • 銀行員や警察官などを装って相手に接触し「不正利用が疑われるので口座情報を確認したい」などの嘘を仕向けてID・パスワードを聞き出す形態です。
      また、インターネットバンキングを操作している人の背後などから認証情報を盗み見る、同僚がメモなどに記録しているID・パスワードを書き写すといった手法も見られます。


    これらの方法によって、他人のID・パスワードを不正に取得し、名義人を装ってインターネットバンキングにアクセスしたうえで第三者の口座へと送金する行為が「不正送金」です。

2、不正送金で問われる罪とは?

不正送金によって問われるおそれがあるのは、刑法の「電子計算機使用詐欺罪」と「不正アクセス禁止法違反」の2つです。

  1. (1)電子計算機使用詐欺罪

    電子計算機使用詐欺罪は、刑法第246条の2に定められています。人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報や不正な指令を与えて、預貯金残高の増減など不実の電磁的記録を作ることで、財産上不法な利益を得る行為を処罰する犯罪です。

    不正送金事案では「送金した」という点をとらえて適用されます。

    ただし、本罪は未遂でも処罰する旨の規定があるので、たとえば銀行の定期的な監視によって不正送金が発覚し、ただちに取引がストップされて実際には口座にお金が到達しなかった場合でも処罰の対象です

    法定刑は10年以下の懲役で、有罪となった場合は執行猶予がつかない限りかならず懲役が下されます。

  2. (2)不正アクセス禁止法違反

    不正送金の手段の部分に注目すると「不正アクセス禁止法違反」の成立も避けられません。
    不正アクセス禁止法違反となるのは、次の5つの行為です。

    • 不正アクセス行為(不正アクセス禁止法第3条)
    • 他人のID・パスワードを使用する、コンピューターに特殊な情報や指令を与えるといった方法で、本来であれば制限されているコンピューターやネットワークにアクセスする行為を指します。
      法定刑は3年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

    • 識別符号の不正取得(同法第4条)
    • 不正アクセスの目的で、他人のID・パスワードを不正に取得する行為も処罰の対象です。
      1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

    • 識別符号の提供による不正アクセスの助長(同法第5条)
    • 業務などの正当な理由がある場合を除いて、利用権のある者以外に他人のID・パスワードを提供する行為は、不正アクセスを助長してしまうので処罰されます。
      法定刑は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

    • 識別符号の不正管理(第6条)
    • 不正アクセスの目的をもって、不正に取得された他人のID・パスワードを保管する行為も禁じられています。
      法定刑は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

    • 識別符号の不正な入力要求(第7条)
    • アクセス管理者になりすまして、ID・パスワードの入力を求めるサイトを公開したり、同様のメールを送信したりといった行為も禁止です。
      フィッシングを規制するための規定で、違反すると1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。

3、不正送金で逮捕! その後の流れは?

不正送金の容疑で警察に逮捕されると、その後はどうなるのでしょうか?

  1. (1)逮捕・勾留による身柄拘束を受ける

    警察に逮捕されると、まず警察署の留置場へと収容され、身柄を拘束されます。
    この期間は、警察官によって逮捕事実の確認や動機、経緯などに関する取り調べがおこなわれるため、厳しい追及を受けることになるでしょう。

    逮捕から48時間以内に検察官へと送致されると、そこでもさらに検察官による取り調べを受けます。取り調べの結果を受けて、24時間以内に検察官が「勾留」を請求し、裁判官がこれを認めると、さらに10日間にわたる身柄拘束が開始されます。

    勾留中の被疑者は警察へと戻されて、警察署の留置場に収容されたうえで警察官・検察官から取り調べなどの捜査を受けることになります。

    勾留は10日間以内の延長が認められているため、
    初回10日間+延長10日間以内=最長20日間
    が、勾留の限界となります。

    したがって、逮捕から数えると合計23日間という長期の身柄拘束を受けるおそれがあります。

  2. (2)起訴・不起訴が判断される

    検察官は、勾留による身柄拘束の期限を迎える日までに「起訴」または「不起訴」を決定します。

    刑事裁判を起こして罪の重さを追及する場合は起訴、刑事裁判を起こさない場合は不起訴です。

    起訴されると、それまでは被疑者と呼ばれていた立場から「被告人」へと変わり、刑事裁判を維持するためさらに勾留を受けます。保釈が認められない限り、刑事裁判が終了するまで釈放されません。

    不起訴の場合は、刑事裁判が開かれないため身柄拘束の必要もなくなります。検察官が不起訴を指示した時点で警察署の留置場から釈放されることになり、罪にも問われません。

  3. (3)刑事裁判が開かれる

    刑事裁判はおよそ1か月に一度のペースで開かれます。起訴から最初の公判までの間は1~2か月ほどで、通常は数回の公判を経て結審するので、判決が言い渡されるまでに半年から1年近い時間がかかることも少なくありません。

    とくに、不正送金事案は事件の背景や動機、方法などに複雑な点が多く、さまざまな証拠が慎重に取り調べられるため、公判が長期化するおそれがあります

    また、不正アクセス禁止法違反だけでなく電子計算機使用詐欺罪でも有罪となった場合は執行猶予がつかない限りかならず懲役が言い渡されるため、逮捕・勾留による身柄拘束から釈放されないまま刑務所へと収監されてしまう事態も考えられます。

4、不正送金の容疑で逮捕されたら弁護士に相談を!

不正送金に対する取り締まりは強化される一方です。発覚すれば逮捕され、厳しい刑罰を科せられるおそれがあるため、ただちに弁護士に相談してサポートを求めましょう。

  1. (1)早期釈放を目指したサポートが期待できる

    不正送金の容疑で逮捕されてしまうと、起訴・不起訴の判断までに最長23日間にわたる身柄拘束を受けるおそれがあります。

    さらに被告人として勾留されてしまうと数カ月にわたって社会から隔離されてしまうため、会社からの解雇や学校からの退学、家庭不和などの不利益をまねくことになるでしょう。

    弁護士にサポートを依頼すれば、身柄拘束の必要はないことを主張して早期釈放を実現できる可能性が高まります

  2. (2)処分の軽減を目指したサポートが期待できる

    不正送金は、手段・方法の部分で不正アクセス禁止法違反に、送金という結果の部分で電子計算機使用詐欺罪に問われる重罪です。サイバー犯罪による被害は拡大するばかりであり、厳罰を求める声は高まる一方なので、発覚すれば厳しい処分が予想されます。

    しかし、不正送金をはたらいたことが事実でも、かならず懲役の実刑判決を受けて刑務所に収監されてしまうわけではありません。

    被害者に対して謝罪のうえで不正送金によって得たお金を返還し許しを得たうえで、検察官に示談が成立していることを示して不起訴を求めることで、刑事裁判に発展する事態を防げる可能性があります。

    刑事裁判に発展してしまった場合でも、被害者への謝罪・弁済を尽くしている事実や本人が深く反省している状況を示せば減軽が認められるかもしれません。

    不起訴による刑事裁判の回避や執行猶予つき判決などの有利な処分を望むなら、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士に相談してサポートを求めましょう。

5、まとめ

インターネットの知識や経験が豊富なら、つい魔が差して他人のネットワークやコンピューターにアクセスし「不正送金」をはたらいてしまうかもしれません。

いたずらのつもりだった、簡単にお金が手に入るので面白くなってやってしまったという軽はずみな動機でも、厳しい対応は避けられないでしょう。

不正送金をはたらいてしまい逮捕や刑罰に不安を感じているなら、ただちにベリーベスト法律事務所 岸和田オフィスにご相談ください。穏便な解決を目指して、刑事事件の解決実績を豊富にもつ弁護士が全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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