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会社が退職させてくれない! 在職強要に対抗できる法的な対応とは

2023年09月21日
  • 労働問題全般
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会社が退職させてくれない! 在職強要に対抗できる法的な対応とは

「令和3年度 大阪府労働相談統計年報」によると、令和3年度に大阪府労働相談センターへ寄せられた相談内容のうち、退職に関係する内容は882件ありました。

退職するためには事前に会社への告知が必要ですが、仕事を辞める権利は労働者側にあります。しかし、「退職したい」と会社へ伝えても、「後任が見つかるまで」「今すぐ辞めるなら懲戒解雇処分にする」「損害賠償請求する」などと言われた場合、どうすればよいのでしょうか。

本コラムでは、会社が退職させてくれないと悩む人に知っておいてほしいポイントをベリーベスト法律事務所 岸和田オフィスの弁護士が解説します。違法な在職強要をされた場合の相談先についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

1、会社を退職する際の法的要件

数か月前から退職を願い出ているにもかかわらず、辞めさせてもらえないという状況は労働者にとって非常につらい状況です。しかし、法律に照らし合わせてみると、適切な手順で手続きを行えば会社を辞めることは可能です。

まずは退職できる法的要件について解説します。

  1. (1)2週間前の申し入れで退職できる?

    雇用契約で雇用期間の記載がない場合は、自由に雇用契約の解除を申し出ることができ、この申し出は希望する退職日の2週間前までに行う必要があります(民法627条1項)。つまり、無期雇用の労働者であれば、「退職を申し出れば2週間後には退職できる」と民法上は定められているのです。

    ここで気になるのが就業規則の存在です。就業規則によっては退職の申し出を1か月以上前に設定しているケースもあるでしょう。

    しかし、たとえ「退職は3か月前に申し出ること」と書かれた就業規則に同意する文書に署名・捺印していたとしても、法律上は退職の自由が認められています。国が定めた法律は、会社の就業規則より優先されます。したがって「違法でないならすぐにでも退職したい」のであれば2週間で退職できるのです。

  2. (2)有期雇用だと退職できない?

    労働期間を「令和○年○月○日~令和○年○月○日まで」と取り決めた有期雇用の場合、原則として契約満了日までは退職できません。

    有期雇用は派遣社員や契約社員、嘱託社員、パート・アルバイトなどが対象となります。ただし、アルバイトやパートといった雇用形態でも雇用期間を取り決めていない場合もあるので、労働条件の記された通知書や雇用契約書などを確認しておきましょう。労働期間の取り決めがなかった場合は無期雇用と同じ条件で退職することができます。

    とはいえ、条件を満たせば有期雇用の労働者もすぐに退職できます。下記より有期雇用の労働者が退職できる法的要件を解説します。

    ●やむを得ない理由がある場合
    有期雇用の労働者が退職できる条件のひとつがやむを得ない理由がある場合です。会社側と当事者が雇用の期間を定めていても、やむを得ない事由があるときはすぐに契約の解除をすることができます(民法628条)。

    やむを得ない理由とは、たとえば病気や妊娠・出産といった身体的な事情のほか、パワハラや賃金不払いなどの労働問題、介護などの家庭の事情も該当します。ただし、やむを得ない理由の原因が労働者側にある場合は、会社から損害賠償を請求されることがまれにあります。損害賠償を請求されても裁判で支払いを命じられるとは限りませんが、万が一のことも視野に入れているのであれば、弁護士に相談して円満な退職の道筋をつけることがおすすめです。

    ●契約期間の初日から1年経過した場合
    やむを得ない理由がない場合でも、契約期間の初日から1年を過ぎていれば、会社に退職を申し出て退職することができます。これは、労働基準法137条において、1年以上の有期雇用の労働契約を結んだ労働者は契約締結日から1年を経過すれば、自由に退職することができると明確に定められています。

2、違法な在職強要をされたらすぐに相談を

違法な在職強要をされた場合や、在職強要にあたると思われる行為をされた場合などは、公的機関、もしくは弁護士へ相談しましょう。

  1. (1)在職強要にあたる行為

    在職強要とは、労働者が退職しないように引き止める行為のことで、違法性が認められることがあります。たとえば以下のような行為が該当します。

    • 無期雇用の労働者に対して「退職したら損害賠償を請求する」と脅す
    • パワハラによる体調不良が原因で有期雇用の途中解約を申し出た労働者を放置する
    • 過去の失敗を持ち出して、「退職するなら懲戒解雇する」と脅す
    • 就業規則を持ち出して、退職を拒否する
    • そもそも退職届を受け取ってもらえない


    このように、立場を利用した引き止めや正当な権利を認めない形での引き止めが在職強要にあたります。自分が遭遇している引き止めが違法かもしれないと感じたら、下記に相談しましょう。

  2. (2)会社が退職を受け入れてくれないときの相談先

    会社が退職させてくれないときは、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署内などに設置されている「総合労働相談コーナー」や、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所「法テラス」などに相談してみましょう。いずれも無料で相談でき、アドバイスを受けられます。

  3. (3)弁護士に依頼するメリット

    公的な相談先は無料で相談にのってくれるものの、退職の引き止めよりも内部告発や過労死など緊急度の高い案件を優先する傾向があります。一方、弁護士であれば個別の状況を詳細にヒアリングし、法的根拠と知見に基づき的確な対応方法についてのアドバイスしたり、会社との交渉を代理で行ったりします。弁護士が交渉している間に転職先を探すこともできるでしょう。時間的・精神的負担を軽減したい方は、弁護士への依頼がおすすめです。

    ほかにも、未払いの残業代請求などもサポートしてくれます。このように状況に合わせて柔軟に対応してもらえるのが弁護士に依頼する1番のメリットでしょう。

3、まとめ

民法では、一定の条件のもと労働者が自由に退職する権利が認められており、これは会社の就業規則に優先します。また、退職届を受理してくれない会社には、内容証明で退職届を送付することで、退職の意思表示をした証拠を残せます。もし、会社が違法の可能性がある方法で在職強要をしてきた場合には、決然とした態度で臨みましょう。また、退職について個人で交渉することが難しいようであれば、弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 岸和田オフィスは会社側との交渉も含めて退職をサポートしています。「退職したいのに退職させてもらえない」在職強要にお悩みの方は、ぜひご相談ください。その他、未払いの残業代があるなどのケースも少なくありません。労働問題についての知見が豊富な弁護士が、親身になってお話を伺い、あなたをサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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