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執行猶予付判決と実刑│違い・執行猶予が付く条件とは?

2022年01月27日
  • その他
  • 執行猶予
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執行猶予付判決と実刑│違い・執行猶予が付く条件とは?

岸和田市によると、令和2年の刑事事件の受理数は大阪地方裁判所岸和田支部で752件、岸和田簡易裁判所2282件に上っています。

刑事事件で逮捕・起訴されてしまったら、できれば実刑判決は避けたい、なんとか執行猶予判決を得たいと考えるのは自然です。実刑判決になれば、仕事も失い、家族との生活も危ぶまれることが少なくありません。では、どうすれば執行猶予が付くのかでしょうか。

本記事では、そもそも執行猶予とはどんな制度なのか、実刑判決と何が違うのか、そして、執行猶予判決を得るためにどうすればいいのか、ベリーベスト法律事務所 岸和田オフィスの弁護士が説明します。

1、執行猶予の概要と実刑との違い

  1. (1)執行猶予とは?

    執行猶予とは、文字どおり、有罪判決による刑の執行を一定期間猶予するという制度です(刑法25条)。この猶予期間に罪を犯さなければ、判決による刑罰権は消滅します(刑法27条)。

    具体的には、「懲役3年、執行猶予5年」と判決がくだった場合、刑務所に収容されることはありません。執行猶予期間の5年間は一般社会で生活することができ、この期間に別の罪を犯さなければ、言い渡された刑を受ける必要がなくなります。

    もっとも、執行猶予が付いても有罪判決であることに変わりはありませんそのため、たとえ執行猶予付きの判決でも判決が確定した段階で、前科が付くこととなります

  2. (2)実刑判決との違い

    執行猶予と実刑は、どちらも裁判官が下した有罪判決です。しかし、判決が出た後の流れが違います。

    実刑判決が出た場合、すぐに刑務所に収容され、社会生活から隔離されます。一方で、執行猶予付きの判決の場合は、判決が終わるとそのまま帰宅し、社会復帰することができます。

    ただし、執行猶予の期間中に他の犯罪で起訴されて実刑判決が出た場合は、原則として執行猶予が取り消しになり、刑務所に収容されることになります。そのため執行猶予の間は特に注意して生活するべきでしょう。

2、執行猶予が付く条件とは?

執行猶予が付くのは、原則として、本人に禁錮以上の前科がなく、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたときに限ります。

一般的には、この条件に該当する比較的軽微な犯罪のケースに対して、執行猶予が付く傾向にあります。

また、以前に禁錮刑以上の判決を受けたことがあっても、すでに刑の執行が終わっており、それから5年間、別の罪で禁錮以上の判決を受けていない場合は執行猶予の対象となり得ます。

なお、犯した罪の重さや本人の反省の程度などによって、情状が大きく異なるため、たとえ執行猶予が付く条件を満たしていても、必ずしも執行猶予が付くというわけではありません

3、執行猶予を獲得するために何をすべきか?

執行猶予を付与するかどうかを決定するのは、刑事裁判の裁判官です。したがって、裁判官に、謝罪と反省の気持ちを示すことが重要です。そのためにできる対策を3つ解説します。

  1. (1)被害者と示談交渉する

    執行猶予を得るために大切なのは、被害者との示談交渉です。示談とは、裁判所を介さずに被害者と加害者の当事者同士で話し合い解決することをいいます。示談が成立していれば被害者の処罰感情はある程度落ち着いていると推認されます。

    ただし、加害者本人や家族、知人が被害者と示談を行うのは、困難であるケースも少なくありません。冷静な第三者である弁護士に一任することで、交渉が進む可能性が高まるでしょうまた、被害者が示談金を受け取ってくれなくても、謝罪文を作成し、渡そうとする努力を示すようにしましょう。なお、窃盗や詐欺などの財産犯の場合は、被害弁償を行うことも示談成立のために重要です。

  2. (2)反省の態度を示す

    犯してしまった罪について反省し、そして、その反省している態度をはっきりと示しましょう。特に、被害者がいないために示談ができない薬物犯罪では、反省の態度を示すことはとても大切です。

    反省していることを裁判官に示す方法として最も代表的なのは、反省文を証拠として提出することです。反省文には、特に決まったフォーマットがあるわけではありませんが、

    • 理由……なぜその犯罪を起こしてしまったのか?
    • 反省……逮捕時の心境・被害者に対してどのように思っているか?
    • 改善・決意……社会復帰した場合にどのように生きていくか?


    などを自分の言葉でまとめるように努めましょう。できるだけ誠実に、反省の思いを文章に込めるようにしましょう。

  3. (3)家族などのサポートがあることを明示する

    執行猶予は、有罪の認定をしながら、刑の執行を猶予することです。したがって、執行猶予を獲得するためには、刑務所に収容しなくても大丈夫であるという一定の信頼を得なければなりません。

    そのためには、執行猶予期間に再犯の恐れがないことを裁判官に示すことが非常に重要です。

    具体的には、家族や職場からのサポートを受けながら社会復帰をする具体的な予定があること等です。サポートや支援者がいると、再犯率が低いことが知られています。そのため、社会復帰後の支援者に実際に裁判に出廷してもらい、被告人が再犯をしないようにサポートすると証言してもらうことが望ましいでしょう。

    また、家族や職場だけでなく、医師による診断書を提出するのも有効です。犯罪を起こしてしまう背景に精神的な疾患がある場合、医師やカウンセラーなどの継続的な治療を行う旨の診断書を提出することをおすすめします。

4、執行猶予中の生活で注意するべき点

執行猶予が付いた場合は、すぐに通常の生活に戻ることができます。保護観察が付かない限り、監視されたり、定期的な報告をしたりする義務などもありません。外出も旅行も自由に行くことができます。職業の制限などもありません。

ただし、いくつかの条件に該当した場合は執行猶予が取り消されることがあります。

  1. (1)執行猶予が取り消しになってしまうケース

    執行猶予期間に別の罪を犯して実刑判決が出た場合は、執行猶予が取り消されてしまいます。

    執行猶予について取り決めている刑法26条の1において、執行猶予を取り消さなくてはならない場合について、以下の3つの条件を挙げています。

    • 執行猶予期間中に、別の罪を犯して禁錮以上の実刑判決を受け、その刑の全部について執行猶予の言渡しがない場合
    • 執行猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の実刑判決を受け、その刑の全部について執行猶予の言渡しがない場合
    • 執行猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の実刑判決を受けていたことが発覚した場合


    これらの条件に当てはまる場合は、必ず執行猶予が取り消されます。執行猶予が取り消された場合は、刑務所に収監される期間に注意が必要です。

    たとえば「懲役3年、執行猶予5年」の判決をすでに受けた1年後に、別の罪で懲役2年の実刑判決を受けた場合は、執行猶予により取り消されていた懲役3年分も加算されることになります。結果として、計5年の懲役が科されることになるのです。

  2. (2)執行猶予が取り消される可能性があるケース

    一方、必ず執行猶予が取り消されるわけではありませんが、取り消される場合もあるという3つの条件が刑法26条の2に明記されています。

    • 執行猶予期間中に別の罪を犯し、罰金刑を受けた場合
    • 保護観察下にあった者が遵守すべき事項を守らず、その情状が重い場合
    • 執行猶予の言渡し前に、他の罪について禁錮以上の実刑を受けて、その刑の全部の執行を猶予されていたことが発覚した場合


    これらの条件に該当した場合は、執行猶予の取り消しが必ずなされるわけではありませんが、罪の重さや本人の状況などの事情、裁判所の判断によって取り消される場合があります。いずれにしても、執行猶予が取り消されないよう、注意するようにしましょう。

5、まとめ

実刑判決と執行猶予付きの判決では、同じ有罪判決でもその後の人生に与える影響は大きく異なります。逮捕されて起訴された場合、できるだけの手段をとって、執行猶予付きの判決を獲得するために準備しましょう。なるべく早期に弁護士に依頼することで、執行猶予を付けるために重要なポイントを押さえつつ裁判を進めることができます。

特に執行猶予が付くためには、被害者との示談が重要ですが、加害者本人や家族では相手の連絡先を得ることが難しいケースも少なくありませんまずは弁護士に相談し、適切なサポートを受けることをおすすめいたします。執行猶予についてお悩みの際は、ベリーベスト法律事務所 岸和田オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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